先週、「ダーウィンの悪夢」という映画を横川シネマで観た。アフリカはタンザニアのヴィクトリア湖周辺のドキュメンタリーだ。この映画を観て、あまりの「ありふれた感」に戦慄を感じずにはいられなかった。
パイロットに色目を使う娼婦,ワニがいるのに水に潜り追い込み漁をする漁師,教えに反するからと避妊具の使用を勧めない牧師,弓矢で警備をする警備員,無菌室のような部屋で黙々と魚を捌く人々,おかゆを殴りあい奪い合う子供たち,蛆虫がわくアラをひたすらに日干しにする人々,HIVにかかりあらゆる希望を失った元娼婦,梱包材を燃やし発生するガスを吸ってトリップする子供たち。これらの事柄が同じ温度でとらえられ、ごくあたりまえの光景として映像にされていた。眩暈すらおぼえる。
短絡的に考えてしまえば、ナイルパーチという魚の不買運動になってしまいがちだ。けれど、そんなことをしてしまうと、ナイルパーチの加工業に関わる人たちが職を失ってしまうのだ。そんなの思考停止。この映画は、たまたまタンザニアのナイルパーチを取り上げただけで、こういった偏った食糧生産はいくらでもある。最近は肉も魚も生産地が、加工食品は加工国が記入してあるのでスーパーで確認するといい。途上国や貧困国で生産・加工されたものには少なからずこの映画で取り上げられた問題と同種の問題が含まれている。僕たちはそれを知った上で食べなければならない。噛締めて、残さずモグモグと。
この映画のフォーカスは、武器輸出(密輸)の問題、そして貧困国を食い物にしている僕ら飽食国がどうするべきかということ。

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