・桝野浩一「僕は運動おんち」
運動ができないやせっぽっちな主人公(自分みたいだ)による手記、という形式ですすむ話。1985年という時代背景を存分に生かしている。
元がケータイ小説だけあって、コマ切れになってて、この進行のテンポになかなか慣れなかったが、終盤はこのテンポが気持ちよくなってすいすい読み進める。結末上手くいきすぎだけどね。
・三浦しをん「光」
しをんさんのダークサイドの集大成的な作品。物語のロクでもなさとそれに翻弄される登場人物の心理描写が凄まじい。この人、やはり只者じゃない。
不穏さを心の内にしまいつつの平穏な結末にはゾっとした。
・いしいしんじ「いしいしんじのごはん日記」
大好きな作家さんは小説もエッセイもおもしろい。突如三崎へ越し、酒と魚と御近所さんに囲まれながらの生活。「クーツェ」を仕上げ「プラネタリウムのふたご」を書きながらの仕事の日々。豊かで穏やかでのびのびと暮らせるのはこの人なりの人徳があってのことだと思う。
「何を」食べたかよりも「誰と」食べたかの方が重要なんだと改めて気付く。
ちなみに今、いしいさんは三崎を離れ京都で暮らしているもよう。京都での生活も本にならないかなぁ。

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