1の日につき横川シネマへ。市川準監督の遺作となった「buy a suit スーツを買う」。
 登場人物の声も街の音も取り込み、エキストラじゃない(?)通りすがりの人々も映りこみ、まるで他人のやり取りを覗き見してるような作品。
 ドロップアウトした兄その旧友とそれを訪ねた妹と元嫁と、それぞれの人生を背負い、映像で切り取られ、映画になってしまった、といった感じ。なんでもない映像でも音楽が重なると、映画っぽく、いや、映画になってしまうから不思議だ。
 有名な役者は出てこないし、引きで固定のカメラアングルばかりで華はないのだけど、それだけに、問題や提起を自分のものにしやすかったかもしれない。

 併映の「TOKYOレンダリング詞集」は、映像にフレーズを重ねたもの。なにかみたことある手法だなと思ったら、「和田ラヂヲの嫁に来ないか」の笑いを獲りにいかない版ってとこかな。なにかのCMっぽくもあった。

市川準監督「buy a suit スーツを買う」予告

 13日の日曜日、ヲルガン座へ鎌仲ひとみ監督の「ぶんぶん通信no.2」上映会へ足を運ぶ。
 この前日までの3日間、上関では埋め立て予定地を示すブイを設置しようとする中電と、それを阻止しようと反対活動を行う祝島の方々の対立があり、今日(9月15日)現在もその対立は続いてる。そんな中の上映会。鎌仲監督も飛び込みで参加し、とても有意義なものだった。

 「ぶんぶん通信no.2」は上関の自然の豊かさにフォーカスがあてられた。水産資源としての価値はともかく、豊かな自然の象徴ともいえる生物がおおく群生し、なかには天然記念物や絶滅危惧類もいることを示した。そしてそんな自然の豊かさを多くの人が知らないでいることも示した。
 無知や無関心であゆがゆえに知らず知らずに加害の側へまわってしまっているかもしれないという危惧を感じる。知っていて何もできないでいるのも歯がゆいのだけど。

 上映後のトークではカッヤカーの原さんによる反対運動の様子が語られる。天気がよければ日差しと暑さが、雨が降れば寒くなり、高齢者の方々にはあまりにも辛いこと。抗議活動をしている祝島の方々に経済的な後ろ盾がいないこと。中電側にあまりに誠意のないこと。そして、中電のチャーターした船で取材をするマスコミのジャーナリズムのなさを知る。
 もう一人のゲスト、干潟探検家の岡田さんの話は勇気をくれた。彼は草の根的な活動で、竹原の「ハチの干潟」の埋立て計画を中止に追いやったらしい。現在24歳、ピュア。すげえ、山(行政)って動くんだ。市民活動の意義や力におどろく。

 質疑応答はヒートアップ。鎌仲監督がいるからかどうなのかアドレナリン出まくってた。おかげでやるべきこと、わかってきた。現地へ駆けつけることができればいいのだけど(釣り船をチャーターして応援にいくとか)、できることからやってみたい。まずは中電に意見を送ろう。自分の言葉で自分の意見を書き、送信ボタンをクリック。簡単なことだ。

経済産業省-原子力安全・保安院
https://wwws.meti.go.jp/nisa/index.html
(送るとなぜだかエラーがでる)

山口県-知事への提言
http://www.pref.yamaguchi.jp/cms/a11000/chiji-room/proposal.html

中国電力-ご意見・お問い合わせ
https://www.energia.co.jp/post/index.html

 祝島や上関原発問題は「UrauraNews」さんがまとめてくれています。また、上関での抗議活動を「RadioActive」さんがリアルタイムで書き込んでます。

UrauraNews
http://iwaijima.jugem.jp/

RadioActive
http://radio-active.cocolog-nifty.com/blog/

 最後に、RCサクセションのサマータイムブルースを貼り付け。電力は余ってる。あぶねぇいらねぇ。

 「リンダリンダリンダ」「天然コケッコー」の山下敦弘監督の心霊DVD「めちゃ怖」3部作の一挙上映イベントへ横川シネマに。ロビーに山下監督が普通にいて、予想通りオーラの欠片もなかったので思わず笑ってしまった。予想外にサラサラヘアーだったのも笑ってしまった要因。ちなみに、休憩中に山下監督とロビーで少し話をしたけれど、めちゃ話やすい人だった。

 「めちゃ怖」は「子宮で映画を撮る女」「ジャーマン+雨」の野嵜好美まつりだった。カイワレさんを説得する野嵜。唐突に霊能者ぶる野嵜。平然と「寝ました」発言する野嵜。「何か霊的に感じるものはある?」と聞かれ、たいした返答をしない野嵜。山下監督に説教する野嵜。トンネルで動揺しまくる野嵜。野嵜かわいいよ野嵜。今日来ればアイドル扱いされたのになぁ、野嵜。
 画面に映り込むものはちっとも怖くないのにありとあらゆる音響効果を使って怖さを捏造。ドリフのおばちゃんの笑い声的な、「ここ怖いところ」を音で教えてくれる親切さ、そしてあざとさ。
 2作観て帰る予定だったけど、1時間ちょっとという尺の長さもあってかテンポよくて3部見てしまった。そしてガンダーラ映画的な作品だなぁ、なんて思ってたらしまださんが絡んでた。なるほど。
 怖いけど笑える映画だったので、笑いどころを確認するためにもスクリーンで見るべき映画だと思った。映画ってかくあるべき。

めちゃ怖 呪われた心霊フィルム

精神

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 「選挙」の想田和弘監督作品「精神」@横川シネマ。春ごろから予告を何度もみて、いやでも気になる作品だったので見ることに。「選挙」もそうだけど、予告の仰々しさが本編で見出すべき本質を損ねてしまう気がする。

 とある精神科医院の観察ドキュメント。わりとありのままにそのままに映し出される現実をまじまじと観る。そこに思っていたほどの意外性はなかった。けれど、自分はそうとう健常者(差別的な意味合いも含む)なのだなと思い知る。気力なかろうが食欲なかろうが眠れなかろうが、全然健康だ、自分。へっちゃら。

 前作より、「カメラで撮っている」ことを感じる映像だった。盗撮っぽさがなく、撮り手と被写体の関係性がうかがえる。あいかわらず、「何」が写っているかを見る側が考えなければならないつくりなので2時間強という尺はかなり疲れる。


映画「精神」公式サイト
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/index.php

映画『精神』予告編

(予習として)
障害者自立支援法(Wikipedia)

 横川シネマを独り占めして観る。監督は「パビリオン山椒魚」の冨永昌敬とルーキー・佐藤央。
 優しくていい加減な男・シゲル(通称:シャーリー)をめぐる女たちのバトルやら抜け駆けやら何やらかんやら。きれいな女の人がダメ男を奪いあうという、ちょっとドロドロしそうな雰囲気がなぜだかカラっとしてて観た後の感触も良好。
 佐藤央による「好色人生」パート、カット割りのクドさが鼻につくけど、古い映画へのオマージュっぽくもあって、なかなかおもしろい。社長×妻,社長×愛人の塗れ場が欲しかったけど、シゲルをめぐるやり取りなんかよかった。
 冨永昌敬による「転落人生」パートは好色人生でバラ撒いた伏線を見事に自然に回収していく様に「おぉと」ため息。ただ、きっちり転落してほしかった。
 シャーリーが何故モテるかまったくサッパリわからんのだけど、それを言っちゃうとモテない奴のひがみっぽくなるのでやめとく。あと、音楽がすごくよかった。サントラがあれば買う。とあえずはMySpaseで全曲聞けるけど(太っ腹!)。

「シャーリーの好色人生と転落人生」公式サイト
http://www.koshoku-tenraku.com/

「シャーリーの好色人生と転落人生」MySpace(サントラ聞けます)
http://www.myspace.com/shirleytemplejapon

『シャーリーの好色人生と転落人生』予告編

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